SARS-CoV-2ウイルスの飛沫とエアロゾルと換気
Jan.3.2021
< 飛沫とは > ◆直径5ミクロン以上あり、大きいので落下速度は30-80cm/secと数秒以内には床に落下するはずです。 ただし、くしゃみをした場合等は5mから10mにも飛翔したというネットでの検索では出てきます。 厚労省のデータではくしゃみをするとインフルエンザウイルスでは約200万個のウイルスが撒きちらされるとのことです、が手も当てずにくしゃみをする方は、そうこの世の中おられないので、まき散らされるウイルスの量はもう少し少なくなりそうです。咳をすると約10万個がまき散らされるとのことです。これもサージカルマスクをして、さらに咳の際に手でマスクを押さえるとかなりまき散らされるウイルス量は減りそうです。 |
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◆上記を見ると、飛沫はつばによって漂っています。飛沫は大きいので落下速度は 意外と早く、数秒以内には床に落下する可能性が高いわけです。 ただし室内の空調等によって実際には数秒以内に落下することはない可能性があります。 ということは、空調を無視して(というより空調を止めて)、飛沫を考えるだけなら、換気なんてしなくてもいいと考えてもよさそうです。 ただし、咳をした場合等ではエアロゾルも発生するらしいので、これは換気が必要になると思われます。 エアロゾルとは、ウイルスは唾液で包まれているものの5ミクロンより小さなもので、飛沫核より大きなものということになりますが、飛沫核は5ミクロン以下の小さなものと定義されていましたので、結局空気感染と同じになってしまいます。(エアロゾル感染は昔から言われている空気感染のことだったのですね。今まで知りませんでした。) |
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下記は1996年にアメリカ合衆国のCDCが示した飛沫と飛沫核の定義です。 |
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エアロゾル感染とは空気感染とほぼ同等の概念のようですし、今回のCOVID-19感染症で初めて提唱されたものと考えてもいいのでしょうか?下記で見ると以前からあった概念のようです。 エアロゾルで調べると、ネットで応用物理学会が詳細に説明していました。 < エアロゾルとは > 応用物理学会の記載によると 新型コロナウイルスは,直径0.06-0.14 μmの球形1)で,感染者の咳やくしゃみは勿論,会話や呼気によってもエアロゾル化され,鼻や口から放出される.エアロゾルのサイズは,呼気に含まれる0.1-1 μm程度2,3)の小さなものから,咳やくしゃみに含まれる数100 μmの大きな飛沫4)まで様々な粒径で分布する.一般に,1 μm程度より大きな粒径のエアロゾル粒子は,重力の影響で比較的短時間に落下する一方,それより小さな粒径ではブラウン運動が支配的となり,長時間浮遊すると考えられている5).以下では,英語圏で広く使用されるaerosolと,日本エアロゾル学会の定義に従い,粒径に関係なく空気中に浮遊する微粒子を「エアロゾル粒子」と総称する. |
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通常の飛沫に対してエアロゾルも発生するということになりましたので、換気は空気感染と同等の処理を行わないといけないことが分かります。 空気感染の際の換気方法は、結核菌の換気方法が同等の操作になる可能性があります。結核予防会複十字病院副院長の所見を転載してみます。 |
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2)室内の十分な換気 抜粋 もし新鮮な空気のみで室内の換気がなされた場合(室内の空気が完全に入れ替わったとする)、室内にまんべんなく飛散した汚染飛沫核の90、99、99.9%が除去される時間は、理論上では1時間6回の換気ではそれぞれ23、46、69分であり、1時間12回の換気ではそれぞれ12、23、35分であるとされている(表)1)。ただしこの値は菌が均等に分布し、かつ換気条件を理想的に設定した場合であり、室の構造、給排気口の位置、室内備品の状況等でより延長し、実際の時間は上記の理論値にその室固有のmixing facterをかける必要があるとされている1)。 また汚染飛沫核の飛散が繰り返しまたは継続的に生じた場合は、この理論値では対処しえない。一方、人が室内にいる場合の快適な換気条件は、居室者1人当たり1分間に約0.42m(3)から1m(3)の換気であり2)、容積が5×3×2.5mの1人用個室であれば1時間に2回の空気の入れ換えで、4人部屋であれば1時間に3回で十分ということになり、居住性、熱効率の観点からは、換気回数をただ増やせばよいということにはならない。さらに結核菌飛沫核のごとき微粒子は、空気中においてブラウン運動をしており、かつ単位空気量当たりの濃度も薄く、その分布は決して均一ではないので、その室内の容積と同量の空気の給排気を行っても1回当たり63%の飛沫核しか除去されないとも言われている2)。 |
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上記の表1では1時間に1回だけ換気した場合は、99.9%除去するためには414分かかる、これは時間にすると6時間54分かかることになります。 不可能な話だということがわかります。 |
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★感染者がいない場合は換気などする必要は、★ ★当然ですがありません★ もし感染者が出たと報告された場合は、業者に任せて 消毒してもらい、換気が必要であれば 換気をするしかなさそうです。 |