SARS-CoV-2ウイルスに対する
ウイルス学者のウイルスの取り扱い



 
 新型コロナウイルス、すなわち
SARS-CoV-2ウイルスに対して、我々一般臨床医はどのように扱えばいいのか、ウイルス学の専門のウイルス学者たちはどのようにウイルスを扱っているのか、を考えてみます。 
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   高解像度の電子顕微鏡でコロナウイルスを見るとこのように見えるのかもしれません。

 ある文献で読んだのでは(どこに書いてあったか忘れましたが)、SARS-CoV-2をアカゲザルに感染を成立させるためには70万個のウイルスが必要だったと読んだ記憶があります。

 ということは、多少のウイルス量では感染が成立しない可能性があるのかもしれません。
 
   話を本題に戻します。

 ウイルス学者たちはBSL3取り扱いのウイルス、SARS-CoV-2を取り扱う際に、感染しないようにウイルスを扱うのでしょうか?

 日本の感染症を取り扱うメインの研究機関として、
国立感染症研究所があります。
 その研究所のSARS-CoV2の取り扱いについて調べてみましょう。


 国立感染症研究所のホームページを見ると、

 令和2年1月30日に下記のように書かれています。
 
   
   上記を見ると検体はBSL2レベルの取り扱いとするとなっています。   
    BSL2とは何でしょう?(BSLとはbiosafty levelの略です)

 Wikiよりコピペさせてもらいます。

 

レベル1

  • 通常の微生物実験室で、特別に隔離されている必要はない
  • 一般外来者の立ち入りを禁止する必要はないが、16歳未満の者の入室を禁ずる
  • 実験室での飲食・喫煙を禁ずる。
  • 微生物を取り扱う人物は、病原体取り扱い訓練を受けた人物でなければならない。

レベル2

(レベル1に加えて)

  • 実験室の扉には、バイオハザードの警告が表示されなければならない。
  • 許可された人物のみが入室できる
  • 実験中は窓・扉を閉め施錠されなければならない。
  • 施設にはオートクレーブが設置されていることが望ましい(実験室内にある必要はない)。
  • 生物学用安全キャビネット(クラスIIA以上)の設置。基本はその中で作業する(エアロゾルが発生しない作業はキャビネット外でも可)。
  • 実験者は、作業着または白衣を着用しなければならない。

種名がわからない検体など「適切なリスク評価を実施するために必要な情報が(中略)不足している場合(中略)には、基本的な封じ込め策-バイオセーフティレベル2」を適用する。

 
   
 BSL2で必要となる個人用保護具(PPE)
 
 1)ガウン
 2)手袋
 3)必要に応じて顔と目の保護

 PPEは結構アバウトな表現になっています。SARS-CoV-2は目から感染しますので目の保護が必要です。
 
 
 さて、ウイルス学者ではない我々市中の臨床医や一般の方は、ウイルスに対してどのように取り扱えばいいのでしょう?
 
 
 感染者と接触する際は、我々臨床医は上記のPPEが必要だということが分かります。
 
 
当院では、風邪や感染症による腹部症状の方々はCOVID-19感染症だと診察時に判別することができませんので、感染症の方を診察する時間を決めて診察しています。

 また、待合室でお待ちいただかずに、お車で来院の方は、ご自分のお車の中で待っていただいています。徒歩で来院の方は、処置室のカーテン内のベッドで待っていただきます。

 診察する場所も、通常の診察室にはお入りにならずに、違う場所で診察をしています。

 診察が終わった後は、診察した場所の消毒を行っています。紫外線照射器を同部に照射し、ウイルスの不活化を行っています


 

 
また、本来なら、SARS-CoV-2の検体は厳重に管理された元で採取されて、専門の検査機関に送られてしかるべきものだと思います。ところが日本では、保健所の検査体制があまりにもpoor過ぎて、追いつかなくなり、一般の何も知らない開業医に検査を依頼する始末です。

 例えば、経鼻から採る検体については上記BSL2に近い取り扱いが必要だと感じます。ところが開業医が行う場合、せいぜい隔壁を設けたり、簡易的なビニールシートでの隔壁を設ける程度で検体を処理するしかありません。変な話です。世の中どうなっているのでしょう?

 なにか上の方にいる方々の考え方が間違っている気がしてなりません。