ウイルスの不活化
March 9,2021

紫外線やオゾンによるSARS-CoV2の不活化について

 紫外線によるウイルスの不活化

 
色々なウイルスがこの世には存在しますが、ウイルスを機能しなくする(不活化と言います)方法があります。

 熱で不活化する方法、化学薬品で不活化する方法、電磁波で不活化させる方法、オゾンで不活化させる方法などが知られています。
 
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 紫外線も電磁波の一種です。他の周波数の電磁波でもウイルスが不活化できる可能性があるのではないかと推測しています。

 紫外線とはその波長が100nmから400nmの電磁波の一種で、目に見えない光の一種です。
 
100〜280nmの波長がUV-Cと言われ、280〜315nmがUV-B、315〜400nmの波長がUV-Aと分類されるようです。
 
 そして、
200nmから300nmの波長の紫外線は深紫外線と言われているようです。

 紫外線はウイルスに対して、その機能を止める不活化する作用があると言われていますが、そのメカニズムは今だに明白ではありません。

 一般的に書かれている文章では、
紫外線のエネルギーがDNAやRNAと言われるウイルスの遺伝子に直接作用して、遺伝子が分断され二量体になると書かれています。直接遺伝子を破壊する印象です。
 これはヒトの遺伝子にも悪さをすることになります。

 通常の紫外線発生装置では253.7nmの波長の紫外線が発生するものが多いようです。今まではガラス管に封止した中の水銀蒸気に電圧をかけると紫外線が発生する管球が使用されてきました。今はできるだけ水銀が入っていない状態の管球が使用されているようです。これらの管球は寿命があるので、3-7千時間で交換が必要になります。

 さらに2014年頃からLEDによる紫外線発生装置が開発されているようです。

 
 2020年9月にウシオ電機とコロンビア大学が共同開発した、222nmという波長の短い紫外線発生装置が発売されました。

 この波長はヒトの皮膚に対して、角質までしか浸透しないので、皮膚癌を発生しにくいと言われています。また角膜に対しても刺激が少なく比較的安全と言われています。

 下記は222nmの紫外線を発生する装置です。

 
   
 オゾンによるウイルスの不活化

 オゾンによってウイルスを不活化させることができると言われています。

 オゾンとは酸素原子Oが3個付いた物質で、
O3と表記されます。

 
オゾンはフッ素に次いで酸化作用が強いと言われています。この酸化作用によって、ウイルスを不活化すると言われています。また脱臭効果があると言われています。

 オゾンは不安定ですので、常温で発生したオゾンは速やかに分解されるようです。あるデータでは20度で3日間で半分になるようです。

 オゾンは簡単に作れるのかと、知らないので、思っていましたが、オゾン層でのオゾンの発生と同様に、空気に紫外線を当てるとオゾンが発生するのだそうです。

 従って、低濃度オゾンを発生させるのは意外と小さな装置でオゾンを作ることができるようです。低濃度のオゾンは比較的安全と言われています。

 下の写真は、縦横30p×20p程度の紫外線発生管球を用いたオゾン発生装置です。

 
   


 以上のように、紫外線やオゾンによって空気中に漂うSARS-CoV-2や、物の表面に付着したSARS-CoV-2を不活化させることができる方法があることがお分かりになったと思います。

 今後こういった装置が公共施設等で、密閉された空間で使用されれば、新型コロナウイルスによる感染をさらに防ぐことができるようになるかもしれません。